映画「この世界の片隅に」感想+近況 <普通>を生きる難しさと尊さ
映画を観に行くまで
適応障害だと診断され病休を取り、1ヶ月が過ぎた頃「
朝起きて、ご飯を食べて、身支度をして、
チケットを発券しながら、
近況
休み始めの3週間ほどは、憂鬱が身体全体を支配していて、
担当していた案件について、職場から何度か問い合わせがあり、
ところが3週間を過ぎてから、連絡はプツリと途絶え、ようやく「
私がいなくても仕事は回っている。
確かに周りに迷惑をかけたけど、
ボロボロになるまで頑張ったんだ。
「もういいか、これ以上、自分の存在を否定しなくても」
それは悟りのような、開き直りのような、不思議な境地だった。
それから回復が進み、今に至る。
会社をサボッて悠々とニート暮らし。
そう言われてしまえば元の子もないが、
感想を書こうと思った
話を映画に戻す。
原作は読めていなかった。
主人公役・のんさんの「
観た後、
感想
この作品で、人の根幹が覆される瞬間を目の当たりにし、
一連のシーンは、彼女が耐えてきた<普通>
登場する人全ての生活へ横たわっていた戦争。
誰もが何か奪われていくことが当たり前の日々。
すずは歪みを感じつつも、毎日を<普通>に生きていた。
その大前提がなくなった。
これまで辛抱してきた哀しみはなんだったのか。
国民皆兵が<普通>ではなくなるのなら、
その嘆きと怒りの深さは計り知れない。
<普通>の下には、沢山の不条理が埋まっていた。
それでも戦後、すずは新しい<普通>を生きていく。
呉の、あの一軒家で。
戦争が終わった瞬間、それまでの<普通>の皮は剥がされた。
哀しみは薄れはしても消えはしない。
だが、これまで<普通>
この作品は<普通に生きること>を全力で肯定していると感じた。
社会に出て知ったことの一つに、大人1人が<普通に生きる>
誰かの扶養に入れないのなら、
仕事で躓いた自分には、<普通に生きること>
病休を取る直前の私は、
しかし、映画鑑賞後、その考えがいかに浅はかだったか気付いた。
苦しくても<普通に生きること>に、
押し寄せる<普通>から逃げずに生きてこそ、
すずだけでなく、多くの登場人物がそう物語っていると感じた。
難しくて尊い<普通>の日々を、諦めず生きていきたい。
理不尽と暴力が常に隣に潜んでいても。
私が気付けていない、
それでも地道に<普通>を生きることで、
今の私にとって映画「この世界の片隅に」は、
※アマゾンで原作本を頼みました。映画は原作のエピソードを全て含んでいるわけではないと知ったので、読了次第追記をするかもしれません。
彼女に聞いてみたかったこと(休職に至るまでのエトセトラ)
電通で東大新卒のエリート女子が、パワハラ・セクハラ・100時間を超える残業に潰されて自殺したニュースを読んだ。
前に「電通で過労自殺…」ってツイートしたけど、間違いだわ。
— ブラック企業アナリスト 新田 龍 (@nittaryo) 2016年10月8日
正確には「電通でパワハラ&セクハラ&過労自殺」だな。
「体育会系社風」で、
「上司は被害者の長時間労働を把握」してるにも関わらず、
「業務と関係ない事柄で叱責」を繰り返し、
「セクハラ発言も横行」する環境
だもんな… pic.twitter.com/ommHhXBfis
余りに酷い話で、自分の抱えてる悩みなんてちっぽけな、ゴミのようなものかもしれないと思う。
私の職場は残業は36時間までだし、有給だって取れる。
入社3年後定着率だって悪くない。
でも、私は休職した。
直属の上司がサイコパスで全く言葉が通じないこと。
前任が、私(新人)が就任した直後に突然休職し戻ってこず、その複雑な後処理(クレーム含む)・進行中の案件を引き継がざるえなかったこと。
育成係の先輩が、理論派体育会系で、意見が対立してはねじ伏せられてしまっていたこと。
そして処理しきれない「前任からの引き継ぎ案件」「上司から命じられた新規案件」「人事からの若手レポート要求」があったこと。
唯一、上司や先輩の態度を見かねたベテランさんが色々と助けてくれ、メンタルの不調にも寛容だったけれど、休職を決めて数日後、突然「お前も不真面目なだけで詐病だ!前任と同じだ!」と手の平を返されたこと。
(あとこのベテランさん、私の愚痴を聞くと称して、ご飯によく誘ってきた。最初は心が軽くなったし楽しかったが、時期に「俺が若かったら付き合うのに」「初体験どうだった?」「生理ちゃんと来てる?」「オナニーどうやってするの?」等聞いてくるようになった。セクハラだと茶化して言うと、「そんなに言われたらもう仕事の面倒みない、傷つく」と圧力をかけられ、弱っていた私は無意識に考えることを辞めた)
要は直近の人間関係が上手くいかず、ダメになってしまった。
ぼくらの世代には「なるべく寝ていたい」「できればうまいものを食いたい」「たまにはセックスしたい」くらいしか感情が無いことが、上の世代には伝わっていないので「やりがい」「働く意義」等と意味不明の発言をされて会話が成立しない
— 運転のあんちゃん (@aaannchang) 2016年10月5日
そうなのだ。
「出来なくてもやるんだよ❤︎それがやりがいじゃん❤︎」
「しんどくなったら言ってくれよ、でも、しんどいと働いてるって感じがして楽しいよね」
多分、上司からすると私の方がサイコパスで、昔の自分なら出来ていた量が何故出来ないのか、出来ないから分担して欲しいってそれは君の仕事じゃないか、とかそういうことなのだ。事実、冷たい目でそう言われた。
自分で言うのもなんだが、私は真面目で誠実だ。テストは大嫌いだったけれど、空気は読めないけれど、それでも同期の何人かや少ない友人達は「さわむらは良いヤツだ」と認めてくれた。
だから思ってしまった。
「頑張らなくちゃ」
「せっかく入れた会社だし」
「ほかの上司のもとについた同期は定時で上がれていいなあ、でも仕方ないよね」
自分を無理矢理納得させ、頑張ってきた。
前任のクレーム処理がメインだから成績は上がらず、人事には評価されなくても。
お客様に厳しい言葉ばかり打つけられても。
今このユニットから抜けたら、他メンバーに迷惑がかかるから。
課長は報告したことの半分は忘れるし、調子ばっかり良くて責任からすぐ逃げるけど、他メンバーは皆耐えてる。
先輩にも人のせいにするなって言われた。
だから、きっと私が強くならなきゃいけないんだ。
弱い私が悪い。
私が悪い、私が悪い、私が悪い。
もっと仕事ができれば、要領が良ければ、コネがあれば。
私が悪い、私が悪い、私が悪い。
それでも仕事は回っていた。
ただちょうど一月前、ちょっとした報告会があった。
同期同士の成績発表会。
私は誰よりも残業してるのに、最下位だった。
いつも定時で帰る帰国子女の美人が一位だった。
ただぼんやりと、彼女がくれたハワイだかバリ島だか(有給を使って旅行したそうだ)のお土産は美味しかったなあと思った。
私が彼女だったらなあ。
彼女だったら、今のこの状況もパパッと切り抜けて、楽しく旅行に行けるんだ。
きっとそうに違いない。
出来の悪い私が幾ら足掻いたって、なんの意味もないかもね。
その日から体調は下降の一途を辿り、頭が痛い、起きれない、食欲がない、眠い日と眠れない日が交互に来る…
大学時代から服用している安定剤があるにも関わらず、仕事でミスは増えパニックを起こすようになった。
「さわむらさん、報告してよ」
「どの件で、誰に、どこまで、どうやって報告するんですか?」
「さわむらさん、連絡どうなった?」
「朝10時にA社に〜を連絡して、そのあとB社に〜を」
「違うよ、要点だけでいいから」
「要点???」
「C社のこと!」
見かねた上司の上司(この人は割とまとも)や、人事の計らいで、診断書を出せば明日にでも休職できると言われた。
私自身、これ以上仕事は続けられないと感じていた。
「前任さんと一緒ですね。まだ後輩が出来て半年も経ってないのに」
「まあまあ、今はさわむらさんの身体が大事だから」
使えなくなった駒を見る目で、偉い人達は言った。
私の、前任のような夜逃げはするもんか、というプライドはボキリと折れた。
それからは地獄だった。
なけなしのプライドをかけて、一週間だけ引き継ぎ期間をもらえるよう申し出た。その間もユーザー対応はしなくてはいけない。多忙にも程がある。
私はこっそりデスクの中のものを持ち帰り、毎日2時間睡眠くらいで引き継ぎファイルを作り続けた。残業もするなと言われていたため、家で出来る作業はなるべく家でやろうと思った。
(本来は持ち出し禁止だが、私が大量のファイルを鞄に詰め込んでいても、上司達は見て見ぬ振りだった)
また、会社で顧客データを整理していると
ベテランが大声で
「あー俺の仕事増えた!」
「うわっなんか汚いデスク(私のだ)ある!目に毒!」
「おい、代わりに出張してくれる××さんに詫び入れた?菓子折りは?ほんっっとお前は前任の生写しだな!」
と数々のボディーブローを入れてきた。
(ちなみに××さんは全く気にしておらず、疲れを癒しておいでと優しく諭してくれた)
セクハラが入っていたとは言え、かつて「さわむらさんは前任と違って真面目だから、上司はちゃらんぽらんだし、困ったら相談してな」と助けてくれた恩人なだけに哀しかった。
上司は一見にこやかな人物だったが、私ににこやかにしても無駄と考えたのか
退勤前に
「明日の10時までにーーをよろしく(何も聞かされてないから、一から作らないといけない)」
「手が足りない?でもこれさわむらさんしか分かんない処理でしょう。じゃあベテランさんに頼めば?え?俺も一緒に頼んで欲しい?なんで?自分でやりなよ」
ボロボロの状態で成果物を渡しても「ありがとー助かったわー」と棒読みされるだけなので、本当に苦痛だった。
「過労死するぐらいなら仕事辞めたら良いのに」って、第三者からすると思っちゃうけど、「ここを辞めたら次はもっと条件が悪くなるし、この先どこの会社でもやっていけないぞ」って、そういう会社の上司は何度も何度も説教するから、「ここ辞めたら人生終わる…」と一種の洗脳状態になってて逃げれない
— ひきこうもり (@Hikikomori_) 2016年10月7日
これもちょっと分かる。
休職した後の基本は「現職復帰」だと聞かされて目の前が真っ暗になった。またあのユニットに戻るくらいなら死んだ方がマシだとすら思った。それでも休職を選んだのは、このツイートのようなことを考えたからだ。病歴があって転職できるかなんて分からない。
とりあえず休職措置を取ろう、と。
これからどうなるか分からない。
大事にしたかった後輩には恨まれるだろうし。
人生って本当に上手くいかない。
私が悪いんだろうか。
私のどこが、どのように、どうして悪いんだろうか。
どこで間違えて、何が正解で、どうすれば上手くいってたのか。
休職のことを知った例の同期がLINEをくれた。
「同じフロアにいたのに、力になれなくてゴメン(・・;) 復帰待ってるから、仕事のことなんか忘れてゆっくり休んで元気になってね!」
東大卒業したあと電通に入社するひと、一般人からしたら最高の勝ち組パターンに見えるのに、残業100時間でうつ病発症して1年経たずに過労死しちゃうの聞くと、他人の芝生は青く見えるけど、実際は立場違ってもみんなつらい事ばかり抱えてて、世の中に勝ち組なんて居ないんじゃないのかな…ってなる
— ひきこうもり (@Hikikomori_) 2016年10月7日
彼女にもつらい事はあるのだろうか。
一度聞いてみれば良かった。
連休明けに診断書をもらいにいく。
VRと現実、感情と理性、そして認識について考えたことまとめ
視覚と聴覚が私達の大部分を支配している。だから、専用の機械で目を覆い、ヘッドフォンをつけると、ゲームの世界があたかも現実のように思える。
VRってすごい。
ひとりでプリキュア!
ついこないだ誕生日を迎えた。
二十代も半ばになると、
もうピチピチ新卒じゃないんだな〜とか。
このままずっとシングルで三十路を迎えるのかな〜とか。
仕事してアニメ見て寝て、仕事してドラマ見て寝て、それでいいのか自分!とか。
成長とはなんなんだよ自分!とか。
腹の贅肉を摘みながら憂鬱になってしまった。
正直言うと、今日は会社休みたいしダメな私に恋してほしい。
というか、私は何がしたいんだっけ。
イケメン拾って植物図鑑並に優しくされたい…じゃなくて
自ら能動的に、どんな自分になりたいんだっけ。
そう考えると、びっくりする程の虚無が心に広がっている気がした。
そんな状態で初代プリキュアをレンタルして一気見した。
本当はカードキャプターさくらが見たかったのだが、先ほどの続編連載開始(めでたい)を受けて、既に先を越されていたのだ。
誰か・何かに選ばれて、可愛く勇ましく戦う女の子。
そんな存在になりたいと、昔は思っていたなあとノスタルジーに駆られた結果だ。
(いま「おめでとう!君がこのクレーム案件の重要責任者だ!勇ましく客のとこに行ってきてくれ!」と言われても全然嬉しくないが)
さて初代プリキュアだが、リアルタイムではもちろん、これまでも見る機会を逸していた。
最近のプリキュア(プリプリとかまほプリとか)に比べると、技の数も変身フォームも少なく、とにかく物理!拳で戦う!って内容だった。
主人公ふたりは最初はさほど仲良くないし、初期なぎさに至っては「プリキュアとかやってらんないよ」と消極的だ。
サポートキャラは逆に面倒を見なければならないし(面倒を見たからといって追加戦士にはならない)、学校行事のたびに邪魔は入るし、大変なことこの上ない。
ビルの壁に14歳の女の子が叩きつけられ過ぎだろう、とハラハラした。
以上の所感を踏まえて初代の素晴らしい点をまとめると、
○なぎさとほのかがパートナー関係になり、力を合わせ助け合う姿が尊い
○変身アイテム(ミップル・メップル)が単なるアイテムではなく、大切な仲間になっていく
○日常パートで「クラスのみんな」「大事な家族」「気になる異性(敵含む)」といった他者とのつながりが描かれている
○これからどうなるんだろう、と不安になっても、二人だから支えあえる
○敵がポリシーを持っていて、正論をぶつけてくる
→力押しで勝とうとするプリキュアに対して
「この世の中で大事なのはね、知力、体力、そして何より経験よ? 修羅場をくぐった経験を重ねてはじめて大人になれるの。運と度胸だけじゃ絶対大人には勝てない」
>ベルゼイ
→戦闘中に物理的に距離を取らされたブラックとホワイトに対して
「お前達は独りでは何も出来ない。だから必死になって探す。相棒を探す振りをして本当は無力な自分を安心させたいだけなのだ。結局お前も自分の事しか考えてはいない。そうだ、全ては自分のためだ、自分だけのためなのだ」
○上記を通して、自分たちの居場所・仲間を守ろう、と困難に立ち向かう強さを得る過程が丁寧に描かれている
他にも良い点は数多くあり、なるほど〜元祖はすごい状態。
やはり8話と42話は神回。
特に42話はラストはもう涙が止まらなかった。
ラストの日常パート、なぎさがほのかに話しかけるシーン。
「あのね、それだけじゃ無いと思うんだけど」
「なあに?」
「やっぱ、自分が大事かなって」
「えっ?」
「あっ、いやいや、なんていうか、自分の気持ちっていうか大切な人を大事に思う、そんな自分の気持ちを大事にしていこうかなって、それが一番大事かなぁって。自分しっかりしてなきゃ何もできないもんね」
「そうよね、きっとそうよね」
自分を大切に思えなければ、人も大切にできない。
自分を卑下し嫌悪する気持ちは、周りへの嫉妬や妬み、無力感に変わり、やがて「人を大切に思う気持ち」を抱けなくなる。
「人を大切に思う気持ち」が理解できなくなると、人から大切にされても気づくことができない。
親切を疑い、打算やロジックでしか動けなくなっていく。
人の気持ちを推し量れないから空気も読めないし、自分のことで手一杯、やがて誰からも相手にされなくなるだろう。
プリキュアを見ていた少女達は、ちゃんと自分を大切にできる女性になれたんだろうか。
私はなれなかったし、私みたいな自己評価が低い女性は沢山いるんだと思う。
だから都合の良いオフィスラブストーリーは生まれ続け、占い師は「今年中に良い人が現れますよ」と商売が成り立つのではないだろうか。
来年の誕生日には、素直に年齢を重ねて良かったと思いたい。
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