暗中模索で五里霧中

しょんぼりオタOLのぐたぐだ日常ブログ

ひとりでプリキュア!

ついこないだ誕生日を迎えた。

二十代も半ばになると、

 

もうピチピチ新卒じゃないんだな〜とか。

このままずっとシングルで三十路を迎えるのかな〜とか。

仕事してアニメ見て寝て、仕事してドラマ見て寝て、それでいいのか自分!とか。

成長とはなんなんだよ自分!とか。

 

腹の贅肉を摘みながら憂鬱になってしまった。

正直言うと、今日は会社休みたいしダメな私に恋してほしい。

 

というか、私は何がしたいんだっけ。

イケメン拾って植物図鑑並に優しくされたい…じゃなくて

自ら能動的に、どんな自分になりたいんだっけ。 

そう考えると、びっくりする程の虚無が心に広がっている気がした。

 

そんな状態で初代プリキュアをレンタルして一気見した。

本当はカードキャプターさくらが見たかったのだが、先ほどの続編連載開始(めでたい)を受けて、既に先を越されていたのだ。

魔法少女モノなら(まどマギ以外)なんでも良かった。

誰か・何かに選ばれて、可愛く勇ましく戦う女の子。

そんな存在になりたいと、昔は思っていたなあとノスタルジーに駆られた結果だ。

(いま「おめでとう!君がこのクレーム案件の重要責任者だ!勇ましく客のとこに行ってきてくれ!」と言われても全然嬉しくないが)

 

さて初代プリキュアだが、リアルタイムではもちろん、これまでも見る機会を逸していた。

最近のプリキュア(プリプリとかまほプリとか)に比べると、技の数も変身フォームも少なく、とにかく物理!拳で戦う!って内容だった。

主人公ふたりは最初はさほど仲良くないし、初期なぎさに至っては「プリキュアとかやってらんないよ」と消極的だ。

サポートキャラは逆に面倒を見なければならないし(面倒を見たからといって追加戦士にはならない)、学校行事のたびに邪魔は入るし、大変なことこの上ない。

ビルの壁に14歳の女の子が叩きつけられ過ぎだろう、とハラハラした。

 

以上の所感を踏まえて初代の素晴らしい点をまとめると、

○なぎさとほのかがパートナー関係になり、力を合わせ助け合う姿が尊い

○変身アイテム(ミップル・メップル)が単なるアイテムではなく、大切な仲間になっていく

○日常パートで「クラスのみんな」「大事な家族」「気になる異性(敵含む)」といった他者とのつながりが描かれている

○これからどうなるんだろう、と不安になっても、二人だから支えあえる

○敵がポリシーを持っていて、正論をぶつけてくる

>ポイズニー

→力押しで勝とうとするプリキュアに対して

「この世の中で大事なのはね、知力、体力、そして何より経験よ? 修羅場をくぐった経験を重ねてはじめて大人になれるの。運と度胸だけじゃ絶対大人には勝てない」

>ベルゼイ

→戦闘中に物理的に距離を取らされたブラックとホワイトに対して

「お前達は独りでは何も出来ない。だから必死になって探す。相棒を探す振りをして本当は無力な自分を安心させたいだけなのだ。結局お前も自分の事しか考えてはいない。そうだ、全ては自分のためだ、自分だけのためなのだ」

○上記を通して、自分たちの居場所・仲間を守ろう、と困難に立ち向かう強さを得る過程が丁寧に描かれている

 

他にも良い点は数多くあり、なるほど〜元祖はすごい状態。

やはり8話と42話は神回。

特に42話はラストはもう涙が止まらなかった。

ラストの日常パート、なぎさがほのかに話しかけるシーン。

「あのね、それだけじゃ無いと思うんだけど」
「なあに?」
「やっぱ、自分が大事かなって」
「えっ?」
「あっ、いやいや、なんていうか、自分の気持ちっていうか大切な人を大事に思う、そんな自分の気持ちを大事にしていこうかなって、それが一番大事かなぁって。自分しっかりしてなきゃ何もできないもんね」
「そうよね、きっとそうよね」

 

自分を大切に思えなければ、人も大切にできない。

自分を卑下し嫌悪する気持ちは、周りへの嫉妬や妬み、無力感に変わり、やがて「人を大切に思う気持ち」を抱けなくなる。

「人を大切に思う気持ち」が理解できなくなると、人から大切にされても気づくことができない。

親切を疑い、打算やロジックでしか動けなくなっていく。

人の気持ちを推し量れないから空気も読めないし、自分のことで手一杯、やがて誰からも相手にされなくなるだろう。

 

プリキュアを見ていた少女達は、ちゃんと自分を大切にできる女性になれたんだろうか。

私はなれなかったし、私みたいな自己評価が低い女性は沢山いるんだと思う。

だから都合の良いオフィスラブストーリーは生まれ続け、占い師は「今年中に良い人が現れますよ」と商売が成り立つのではないだろうか。

 

来年の誕生日には、素直に年齢を重ねて良かったと思いたい。